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系の人材確保を問題とする企業が多い。技術系の不足している企業は、30〜99人規模、売上高伸び率からみて急成長企業、金属・機械・電機、対事業所サービス、土木・建設などの業種に多かった。また、西日本での不足傾向が強く、都市部から離れたところに立地している企業でその指摘が多かった。一方、事務系は100人以上のより規模の大きな企業で不足とする企業が多く、立地地域も県庁所在地が多かった。

図表1-4 人材確保状況       (%、社)

 

合  計

良い人材が採れている

数の上では確保できる

数の確保も困難

全く採用できず

不  明

合   計

100.0
(742)

17.0
(126)

57.4
(426)

18.3
(136)

1.1
(8)

6.2
(46)

規 模

30人未満
30人〜
100人〜
300人以上

100.0(93)
100.0(182)
100.0(248)
100.0(205)

15.1
9.9
17.1
24.9

40.9
56.6
62.0
57.6

31.2
22.0
18.4
10.2

1.1
2.2
0.0
1.5

11.8
9.3
2.4
5.9

 

なお、正社員の採用率は8.1%、うち採用者に中途採用者の占める割合が33.1%と3分の1を占め、Uターン者が採用者全体の25.2%を占め、三大都市からのUターン者は11.6%であった。また、採用者でUターン者の多い学歴は文科系大卒(42.4%)と理科系大卒者(39.1%)であった。ところが、中途採用者でUターン者の占める割合は13.1%とかなり低く、Uターン採用者の圧倒的部分は新規学卒者が占めており、中途採用者はUターン採用者の2割程度にとどまる。
また、離・退職者は年率で7.6%となり、採用者の82.3%相当が離・転職していることになるが、離・転職者の44.0%は女性であって、離・転職者に占めるUターン採用者の比率は6.2%と少なく、Uターン採用者の定着率はかなり良い。
新規学卒者の採用にあたり、専門性・創造性・個性のある有能な人材を確保するために、採用方式の多様化を試みている企業が増えてきているが、基本は学校の就職課や先生を通じた求人とか、就職情報誌を利用した求人であり、従来通りのやり方を踏襲する企業が多い。しかし、入社後の職種と処遇を明記した職種別採用をしている企業も4割と多く、インターネットなどパソコン通信を利用した求人とか、地域限定型採用も1割弱の企業で試行されている。
また、近い将来に実施したいと考えている採用方式では、インターネットなどパソコン通信を利用した求人(27.2%)が急増している。地方立地企業から距離のハンディキャップを一気に取り払う可能性があるので、このような求人方式に期待する企業が多いものと思われる。しかしながら、求人情報の提供の仕方などにトラブルが発生しないようなルールづくりが早急に検討されるべきであろう。現状では規模の大きな企業での実施予定企業が多いのだが、規模の小さな企業ではこのような動向に乗り遅れる可能性がある。中小企業支援を念頭におき、人材銀行やUターンセンターなど公的セクターが中小企業が低額で求人情報を提供できるようなホームページを開設できれば、その利用は増えるであろう。求職情報の受理にもこれら新しい情報機器を積極的に活用することで、効率的な求人活動を可能とし、人材確保に悩む中小企業を側面から支援できる

 

 

 

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